失った歯を補うための第四の選択肢「歯牙移植」 - 医療法人社団結心会口腔外科グループ

失った歯を補うための第四の選択肢

歯牙移植とは

根っこの治療等の処置を行っても残すことが難しく、残念ながら抜歯せざるを得ないというケース。抜歯した部位を補う方法は、通常は大きく分けて「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つになります。このような内容を歯医者で説明されたことのある方も多いのではないでしょうか。

しかし実は、前述の3つの方法とは異なる第4の方法があります。それが歯牙移植です。

歯牙移植とは文字の通り、歯牙を移して植える手術を指します。

歯牙移植とは文字の通り、歯牙を移して植える手術を指します。親知らずや噛み合わせに関与していない・機能していない歯（ドナー歯）を抜歯した部位に移すという治療です。

他人の歯を使った他家歯牙移植という手術もありますが、感染等の危険が問題視されていることから、現在行われている「歯牙移植」は自分の歯を使った「自家歯牙移植」を指しています。（以後、このページでも自家歯牙移植を歯牙移植として呼称します）

What 歯牙再植とは

歯牙移植とセットで語られることが多いのが、歯牙再植という手術です。別の部位の歯を持ってくる移植と違い、一度歯を抜いてから病変部位を治療して同じ場所に歯を戻すため、親知らずなどの別の部位の歯を使う必要がありません。適用できるケースに限りはありますが、こちらも歯牙移植同様に審美性や機能性を維持できるメリットがあります。

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歯牙移植のメリット
（インプラント等との比較）

01 保険適用で
行うことができる

「移植する場所の歯が残っている（抜歯前である）」、「ドナー歯が親知らずである」などの条件がありますが、満たしている場合は歯牙移植は保険適用の範囲で行うことが出来ます。

02 適合性が高く
拒絶反応を起こさない

当グループで使用しているインプラントは金属アレルギーが反応しにくい素材が使われていますが、自身の天然歯以上に適合性が高い素材はありません。アレルギー反応（拒絶反応）のリスクと身体的負担が少ない治療です。

03 天然歯の見た目、
機能性を維持できる

天然歯を移動して植えるので、当然ながら見た目の違和感はほとんどありません。歯と骨の間にある「歯根膜」というクッションと一緒に移植することで、入れ歯やブリッジ、インプラントで補うよりも、より繊細な食感や歯触りを楽しむことが出来ます。

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歯牙移植のデメリット
（インプラント等との比較）

01 人工歯よりも
虫歯になりやすい

歯牙移植は天然歯を使うため、日常のケアを怠ったときの虫歯リスクはインプラントでも使われるような人工歯よりも高くなります。（人工歯でもケアは必要です）

02 対応できる医院が
少ない

入れ歯やブリッジ、インプラントは現在は多くの歯科医院で対応することが可能です。しかし歯牙移植は手術の難易度がインプラントよりも高いことで知られており、口腔外科の知識・経験に自信のある一部の歯科医院（医師）でしか行うことができないのが現状です。

03 適応ケースが限られる

歯牙移植を行う場合、前提として移植する歯が必要になりますが、どのような歯でも移植できるわけではありません。例え親知らずが残っていたとしても、サイズや歯の根っこの形によっては移植する歯として使えないため、歯牙移植を希望されてもご要望に添えない可能性もあります。

インプラントと歯牙移植の比較

	インプラント	歯牙移植
外科処置の箇所	1～複数箇所	2箇所
外科処置の回数	1～3回	1回
骨質への影響	多い	多い
防御機構の有無	なし	あり
高齢の方	可能	可能だが成功率が下がる可能性あり
治療後の矯正治療	不可	可能
保険適用	なし	あり（条件付き）
治療期間	3～12ヶ月	2～3ヶ月

医療法人社団結心会の口腔外科ドクターは、全員が大学病院の口腔外科で研鑽を積んだ経歴があり、その多くが日本口腔外科学会認定の”専門医”や”認定医”などの資格を有しています。

インプラントよりさらに手術難易度が高いと言われる歯牙移植についても、これまで積み重ねた難症例への対応経験を持って全力で治療に臨ませていただきます。

抜歯・親知らずでご不安な方は
お気軽にご相談ください！

クリニック一覧

歯牙移植の適用対象

診査診断の結果、
歯牙移植が可能と判断された場合において
本治療をご提案いたします。

親知らずや噛み合わせに関与していない・機能していない歯（ドナー歯）がある

ドナー歯が歯周病にかかっておらず、歯根膜が存在している

ドナー歯の歯の根っこの部分が複雑な形でない

移植する場所とドナー歯の歯や根っこのサイズが類似している

Price

歯牙移植の費用

保険適用

7,000〜10,000 円 ※保険適用における自己負担金が3割の場合
※根管治療や詰め物・被せ物の料金は含まれていません

FAQ

歯牙移植に関する
よくあるご質問

移植後の歯に被せ物は必要ありませんか？

場合によってはそのまま使えることもありますが、噛み合わせを考慮して被せ物を付けていただくことが一般的です。
移植後の歯はどれくらい長持ちしますか？

スタディグループの生存分析（※）によると、移植して10年経ったあとの生存率は73.6％、推定平均残存年数は14.6年とされるデータがあります。日常のケアや定期的なメインテナンス、喫煙有無などにも左右されますが、一つの指標として約10年が目安という考え方はできるでしょう。
※ 伊藤公二ほかスタディグループ救歯会；自家歯牙移植の予後を検証する２－７１２歯の臨床統計に基づく、自家歯牙移植のサバイバルレート：歯界展望,vol.119 No.4 2012-4,609-633
治療期間はどれくらいかかりますか？

移植手術は1日で完了しますが、移植した歯が骨と結合するまで1～3ヶ月ほどかかります。また、移植した歯の根の治療も必要になるため、歯が安定するまでは2～3ヶ月ほどの治療期間が必要になります。
◯◯な歯の状態でも移植できますか？

どのような歯の状態でも適用できる治療ではないため、レントゲン撮影等を含めた診査診断が必要です。歯牙移植にご興味のある方や、歯牙移植を検討されている方は、お気軽に各医院にご相談ください。